人は老化とともに腰が曲がり、杖を使用したり、寝たきり状態となることが多い。年をとっても腰が曲がらず、背筋をしゃきっと伸ばし元気な姿勢でいることはできるのか?
骨粗鬆症はわが国で1000万人を超えており、高齢女性の2人に1人が骨粗鬆症である。
以前は老化により骨折したり、腰が曲がることは当たり前と考えられていたが、最近では骨粗鬆症も予防や治療の対象となってきた。
骨粗鬆症とは骨量が減少し骨がもろくなり、骨折しやすい状態。
閉経後の女性はホルモンの関係もあり、骨粗鬆症になり易い状態だ。骨粗鬆症により大腿骨頚部を骨折してしまうと寝たきりになってしまうことが多く、高齢化を迎えたわが国で重要な社会的問題でもある。
また骨粗鬆症の患者の腰椎は圧迫され骨折を来しやすい状態である。圧迫骨折がおこると背中や腰が曲がったり、身長が短縮する。一度椎体骨折を起こすと今後も骨折を起こす可能性が高く、放置しておくと腰の曲がりが強くなり腰痛の原因となる。
骨は骨代謝により骨吸収、骨形成がおこり、成人の場合一年で2-10%の骨が入れ替わることが分かっている。骨粗鬆症になるとそのバランスが崩れ骨が減少しスカスカとなる。骨の健康を保つには骨吸収と骨形成のバランスが重要だ。
現在骨粗鬆症は新しい薬により早期診断、治療により、骨の老化を防ぐことが可能となってきた。

骨粗鬆症の治療薬

ビスホスホネート:骨量を増やし、骨折を防ぐ 一番多く使われる薬
女性ホルモン:閉経後の骨量の減少を防ぐ
ビタミンK2:カルシウムに骨をつきやすくする
活性型ビタミンD3:腸からのカルシウムの吸収を促進する
カルシウム剤:食事のカルシウム不足を補う
カルシトニン:骨量の減少を抑える注射薬

食事療法

800mg~1200mgの摂取が必要ですが、日本人はカルシウム摂取量が低く積極的にカルシウムを摂取しましょう。

運動療法

適度な運動は骨を強くする作用があります。ビタミンDは紫外線により作られ軽く、日光にあたることも良いでしょう。

日常生活での注意点

バランス良く栄養をとりましょう。
自宅での転倒を防ぐため手すりをつけたり、段差をなくしましょう。
また病院での定期的な検査を受けましょう。

                                                養生訓参照