頭痛
頭痛は日常診療の中で特に多い疾患です。
頭痛の種類は大きく分けて、器質的異常がなく繰り返し起こる片頭痛、緊張型頭痛などの頭痛(一次性頭痛)と、頭の器質的疾患による頭痛(二次性頭痛)に分けられます。
バットでたたかれたような頭痛や生まれて初めての頭痛、麻痺、呂律障害などを伴う場合は器質的疾患による頭痛(二次性頭痛:くも膜下出血、脳出血など)が考えられ速やかに精査が必要です。
頭痛のほとんどが、神経学的に異常所見認めず、頭部CT、MRIなどの検査をしても明らかな異常がない慢性の経過をとる一次性頭痛です。
一次性頭痛は片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛がある。
片頭痛
診断
片頭痛は若い女性に多く、頭の片側に、ズキン、ズキンと拍動する頭痛であり、吐き気、嘔吐症状を伴うことがあります。
光や音に過敏になったりすることもあり、日常の生活に支障をきたします。誘因として寝不足、アルコール、チョコレート、運動、入浴、ストレスなどがあり、もし頭痛の引き金となるようなものがあれば避けて下さい。
治療
頭痛初期
鎮痛薬(NSAIDs)またはエルゴタミン製剤に適宜吐き気止めを併用。頭痛初期の服用が効果的です。
緊張型頭痛
一次性頭痛の中でも最も頻度の多い頭痛です。両側性に後頭部などにギューっと締め付けられるような頭痛を感じることが多い。肩こりなど伴うことが多く、ストレスや睡眠不足などが誘因となります。
ストレスを貯めずに、適度な運動をして下さい。肩こりには頭痛体操(頭を左右にゆっくり回すなど)、ストレッチ、低い枕、不安や緊張を取り除くような薬(抗不安薬)や筋肉の緊張を取り除く薬(筋弛緩薬)を使用します。
群発頭痛
中年男性にまれにある頭痛です。片側の目の周囲や目の奥の激しい痛みがあり、1回の頭痛発作は15分-3時間持続し、1回/2日~8回/1日の頭痛が数週~数か月間群発する。
頭痛と同側に涙、鼻水など症状を伴うのが特徴です。
治療
発作急性期
経口や点鼻のスマトリプタンも有効性が高い。また、100%酸素投与は有効性が高い。
発作予防
発作がないときのの群発頭痛発作予防にはカルシウム拮抗薬や副腎皮質ステロイド薬を使用