大牟田市長岡内科医院(高血圧、糖尿病、生活習慣病) 西鉄大牟田線倉永駅前徒歩1分
住所:〒837-0906 福岡県大牟田市倉永66-1
TEL:0944-58-0909
FAX:0944-58-0911
WEBからのお問合せはこちらから

日本における新型コロナウイルス感染症(国立感染症研究所)

国立感染症研究所ホームページに
「感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例112例の記述疫学(2020年2月24日現在)」
の題名で2月29日に報告されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は指定感染症に定められ、保健所に届け出ることが義務づけら、疫学調査を行うことが可能となっています。

確定症例(PCR検査陽性)は112例であった(2月24日現在)。性別は男性69例、女性43例で、男女比は1.6:1で男性に多かった。年齢の中央値は66.5歳(範囲15-89)、国籍は日本75例、米国11例、中国7例、オーストラリア7例、フィリピン4例、インド3例、カナダ3例、タイ1例、香港1例であった。推定感染地域及び経路として、船舶72例、中国/武漢関連11例、東京都11例、和歌山県11例、千葉県2例、神奈川県1例、大阪府1例、石川県1例、国内(都道府県不明)1例、国内・国外不明1例であった。届出時点の主な症状は、発熱81例/112例(72%)、咳69例/112例(62%)、肺炎43例/66例(65%)、咽頭痛23例/68例(34%)、全身倦怠感20例/61例(33%)、鼻汁・鼻閉17例/64例(27%)、頭痛17例/62例(27%)、下痢11例/64例(17%)、嘔気・嘔吐5例/60例(8%)、関節・筋肉痛4例/58例(7%)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)3例/41例(7%)、結膜充血0例/53例(0%)であった。 国立感染症HP参照

中国からののデータが多い中、本邦での疫学的なデータがでてきました。2月24日までの報告をまとめているが、意外にも無症状症例は6例(5%)であったということです。検査時に無症候と考えられていた人は約2割いたが、当日~その後発症、基本的には不顕性感染者はいるものの少なく、COVID-19に感染した患者は発熱や咳、鼻水などの風邪症状を呈することが大部分と判明しました。

基礎疾患の多い患者が人工呼吸器等の高度医療を必要とすることが多く、ICU入室8例/52例(15%)、侵襲的換気(気管挿管等)11例/50例(22%)体外式膜型人工肺(ECMO)使用が5例、2月24日の時点で死亡者はいないものの1~2割は重症化するという海外同様のデータが得られています。

またダイヤモンドプリンセス号の報告もホームページに記載されています。
「現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例」

当初は自覚症状を訴える人のみ検査していましたが、乗船した全ての乗客が検査対象に拡大実施されています。合計3,011検体が検査され、621検体が陽性(20.6%)。乗客のうち70歳以上の高齢者の感染者が多く感染率も高値でした。

検疫が実施された最初の日である2月6日より前に発症した人が34名(17.3%)、2月6日以降に発症した人が163名(82.7%)であったが、2月7日~9日に多くの陽性例がでていること、疫学情報に基づいて評価すると2月3日にクルーズ船が横浜に入港する前にCOVID-19の実質的な伝播が起こっていたことが分かると結論づけています。
無症候性症例の割合がかなり高いのは全員検査したためであろうが、今後のこれらの無症候症例がどのような経過をとったかの報告が待たれます。
下船者のほとんどが14日間の検疫を終了しているなか、ニュースなどで一部PCR陰性確認後も陽性になった人が報道されています。検査の感度の問題や持続感染の影響と考えられます。

2月29日のWHOの報告によると、ダイヤモンドプリンセス号 でPCR陽性の人は705名、死亡は6名となっています。このことよりクルーズ船でのコロナウイルスの致死率は現時点では約1%です。インフルエンザの致死率を0.1%以下と比較するとかなり強い病原性をもつことは間違いなさそうです。

2020年2月6日から20日におけるクルーズ船乗員乗客の発症日別COVID-19確定症例報告数(n = 163

COVID-19症例に関するWHO調査報告書

WHOのホームページでから「WHO-中国合同ミッションの報告コロナウイルス病 2019(COVID-19) 」という題名の報告書が公開されました。
全40ページにもわたるこの報告書には中国がどのように被害拡大を防ぎ、収束に向かっているかが描かれています。

注目すべきは、中国は既に新型コロナウイルスの増加のスピードが減少し制圧できる可能性が示唆されています。下記の推奨事項は感染国の知恵の集大成であるので、是非本邦でも参考にされコロナウイルス収束に向け政府、国民一丸となった対応が求められています。

検査体制が整っていないなか、感染爆発を防止する手段の一環として学校を閉鎖した 安倍首相 の英断は、WHOのレポート中で必要に応じて行う事項として推奨されたものでありました。

推奨事項(対応中の各国へ)

1.最高レベルの国家対応管理プロトコルをただちに有効化して、COVID-19を非医薬品の公衆衛生対策に含めるために必要な政府および社会全体のアプローチを確保します。

2.積極的かつ網羅的な症例発見、即時のテストと隔離、連絡先の追跡、および密接な連絡先の厳密な隔離を優先します。

3.COVID-19の重大性とCOVID-19の拡散防止における市民の役割について、一般の人々に十分に教育する。

4.非定型肺炎のすべての患者の検査、上気道疾患 および / また 最近にCOVID-19暴露のある患者のスクリーニング、既存の監視システムにCOVID-19ウイルスの追加検査を実施することにより、監視を直ちに拡大してCOVID-19伝染連鎖を検出する

5.必要に応じて伝送チェーンを中断するためのさらに厳しい手段の展開のために、複数セクターのシナリオ計画とシミュレーションを実施(例:大規模な集会の中断、学校と職場の閉鎖)。