Archive for the ‘消化器内科疾患’ Category

C型肝炎抗ウイルス薬

2010-10-30

「HCV感染患者への新規抗ウイルス薬は、2週間でウイルスRNA濃度を低下させた。」という論文が2010年10月30日のイギリスの臨床医学全般の論文雑誌「The Lancet」に掲載された。
C型慢性肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1感染患者を対象に、経口ヌクレオシドポリメラーゼ阻害薬RG7128+プロテアーゼ阻害薬danoprevirの有効性を無作為化プラセボ対照試験で検討している。C型肝炎のウイルス量はベースラインから14日目までに、-3.7から-5.2 log10 IU/mLの範囲濃度の低下を認めた。(-1logは1/10のことなので、ウイルス量が約1/10000~1/100000に減少するということ。)
研究グループは、ヌクレオシド類似体ポリメラーゼ阻害剤とプロテアーゼ阻害剤の経口組み合わせは、慢性C型肝炎に対するインターフェロンを使用しない治療としての可能性を秘めていると結論づけている。
 2012年頃に従来の治療でC型肝炎ウイルスが消えなかった患者適応の「テラプレビル+ペグイントロン+リバビリン」の新規複合治療が登場する。臨床成績は今までの治療と比較し一度ウイルスが消失した患者は7割のウイルス消失が期待できる。
更に未来ではこの論文のように、インターフェロンを使用しないでC型肝炎の治療が臨床で登場する可能性がでてきた。


参照:LANCET The Lancet, Volume 376, Issue 9751, Pages 1467 – 1475, 30 October 2010

 

慢性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)詳細

C型肝炎って何? あなたの健康のために

2010-07-27

血液検査でC型肝炎(HCV)が陽性ということがわかった場合どうすればよいか?

そのことはあなたの体のなかにC型肝炎ウイルスがいる可能性が高いことになります。C型ウイルスをもっていても、特に自覚症状がなければ過度に心配することはありません。まず、医療機関を受診して、肝臓の状態を調べることをおすすめします。今の肝臓の状態を知ることは、自分自身の健康と周囲の人(御家族含めて)の健康にも関係してきます。

C型肝炎ウイルスとは

肝炎を起こす原因は色々ありますが、日本で慢性の肝障害(慢性肝炎)の原因として一番多い原因はC型肝炎ウイルスです。(以前は非A非B肝炎と呼ばれていました)C型肝炎ウイルスの診断はC型肝炎の抗体(HCV抗体)を調べたり、C型肝炎のウイルスの遺伝子を調べる(HCV RNA)を調べます。

C型肝炎ウイルスに感染するとどうなるか?

肝炎ウイルスが体の中に入ると、肝臓で増殖し軽い肝炎症状を起こします。(食欲不振、吐き気、黄疸)A型やB型の急性肝炎は一過性で完全に治ることが多いのですが、C型肝炎は完全に治らず、肝臓にウイルスが残ってしまうことが多いので慢性の炎症を肝臓で起こします。これば慢性C型肝炎です。

肝炎の症状とは

体がだるい、食欲がない、吐き気がする、目や皮膚、尿が黄色になる。

C型肝炎はどのように感染するの?

C型肝炎は肝臓で増殖し、血液の中にもC型肝炎がいます。以前は輸血、刺青、注射の回しうちなどを介してC型肝炎感染が起こっていました。基本的に血液を介して感染するため通常の共同生活では感染しません。

C型肝炎の経過はどうなるの?

感染後肝炎を起こし治癒してしまう人もいますが、大部分が慢性肝炎となります。数十年かけて肝硬変、肝癌となることが多いです

C型肝炎キャリアであることがわかったらどうするか?

献血や検診でC型ウイルス感染を知った人の大部分はC型肝炎キャリアです(C型肝炎ウイルス持続感染している患者)。肝臓専門医のいる病院に受診し、定期的に肝臓の状態をチェックしましょう。C型肝炎キャリアの患者は定期的な検査と他人への感染予防を心がければ、日常の生活の変更や日常活動制限をする必要はありません。しかし飲酒は可能な限り控えてください。

肝臓の状態をチェックするとは?

血液検査(肝機能、初回はC型ウイルスの型、ウイルス量)と超音波(エコー)検査を行います。

C型肝炎の治療はどんなものがあるのか?

C型肝炎の治療は抗ウイルス療法(インターフェロンを用いた治療法、インターフェロンとリバビリン併用療法)と肝庇護療法の2つの治療方法があります。
 

抗ウイルス療法

ウイルスをやっつける治療であり、ウイルスをなくしてしまうことが一番の目標ですが、十分な成果が得られなかった場合でも肝細胞の破壊のスピードを抑えることができます。患者の年齢、病歴、C型肝炎の種類、ウイルスの量などにより最適な抗ウイルス療法を行います。

肝庇護療法

肝臓の細胞一つ一つを強くし肝炎の活動を抑えます。強力ネオミノファーゲンC、ウルソなどが用いられます。ほとんどの人に効果があり、継続して行うことが重要です。

他人に感染させないためにはどうすればいいのか?

基本的には血液を介して感染します。しかし以下のことを気をつけてください。
自分の血液や分泌物が他の人につかないように気をつけてください。
カミソリ、歯ブラシなどの日用品や専用にしましょう。
乳幼児に口移しで食物を与えないようにしましょう。
輸血のために献血はしないようにしましょう。

 

慢性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)詳細

 

ネクサバール

2010-05-25

肝細胞癌は経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈塞栓術(TACE)、肝動注化学療法、肝切除術、肝移植など様々な治療が行われている。
進行肝癌の治療は効果少なく、新たな治療法が待ち望まれていました

2010年4月より進行肝臓癌の治療薬として分子標的薬(ネクサバール)が承認されました。

ネクサバール効果
  1. 腫瘍細胞の増殖抑制作用
  2. 血管新生阻害作用

世界で始めて全身療法で生存期間の延長効果をしめしました。

海外の大規模第3相試験 SHARP試験(Llovet JM et al. N Engl J Med. 2008;359;378-390)

全身化学療法歴のない進行肝細胞患者 Child-Pugh分類:A
の患者にネクサバール投与(400mgX2)により生存期間の35%延長、生命予後に対するリスクが31%減少、病勢進行までの期間はプラセボ群に対し2倍であり、病気進行リスクを42%減少させています。

主な副作用

下痢、疲労、手足症候群、皮疹、脱毛、食欲不振、肝機能障害

ネクサバール投与推奨患者

切除不能な肝細胞癌患者
全身状態良好かつ肝予備能が比較的良好なChild-Pugh分類:Aの肝細胞患者

ネクサバールは新規分子標的薬であり、肝臓専門医、腫瘍内科医など熟練した医師のもとでの治療が必要です。

逆流性食道炎

2010-05-24

食道にびらんや潰瘍などの起こる原因として、胃酸の食道への逆流による逆流性食道炎が多いです。症状は胸やけ、胸部不快感、つかえ感、胸痛、喘息様症状、咽喉頭症状があります。
逆流性食道炎の状態が持続すると、食道が、バレット粘膜、バレット食道、バレット上皮となることがあり、食道癌の原因として注目されています。また潰瘍を繰り返すことにより食道狭窄が起こることがあります。

治療

逆流性食道炎は胃酸の食道への逆流が原因のため胃酸分泌抑制薬により治療します。胸やけなどの逆流症状の改善と逆流性食道炎の治癒が目標であり、再発しやすいため維持療法が必要となることが多いです。

生活習慣の改善

肥満、長時間の前屈姿勢、重いものを持ち上げたりするお腹に力を入れる動作は避けましょう。高脂肪食の摂取、食後すぐに横になるなどの生活習慣を改善して下さい。

薬物療法 

プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの胃酸分泌抑制薬で治療します。治療により速やかに症状改善を認めます。

内服により症状が改善してもすぐに服薬を中止すると再発することがあります。基本的には長期投与となります。

薬 1)を基本 3)を併用
1)パリエット(10mg)
  オメプラールまたはオメプラゾン(10-20mg)
  タケプロン(15mg)            1錠 分1 

2)ガスター(20mg)
  アシノン(150mg     2錠 分2
3)ガスモチン(5mg)    3錠 分3

バレット食道

食道に胃酸の刺激が持続すると食道の上皮が胃の上皮に変化し、食道癌の母地となるバレット上皮ができます
バレット上皮はPPIの長期投与で退縮したとする報告もあります。癌の合併に気をつけながら内視鏡検査で経過観察する(半年-1年に1回)。逆流症状あるいは逆流性食道炎を伴う場合はPPIの投与します。

食道裂孔ヘルニア

食道が通る穴が食道裂孔で、この穴を通って腹腔内にあるべき胃の一部が胸腔側へ脱出している状態を、食道裂孔ヘルニアといいます
この場合、食道と胃の接合部がゆるく用意に胃酸が食道内に逆流します。逆流症状あるいは逆流性食道炎を伴う場合は状態に応じて、PPIの投与しまが、内科的治療に抵抗する場合は,腹腔鏡下Nissen噴門形成術など外科的治療も考えます。

 

肝炎治療医療費助成

2010-03-30

B型肝炎 C型肝炎 肝炎対策基本法 

  • 肝炎の予防および早期発見の推進
  • 肝炎医療の均てん化の促進等
  • 研究の促進等

現在インターフェロン治療が医療費助成がされていますが、それに加え2009年4月より、B型肝炎の核酸アナログ(内服薬)の医療費助成が開始されました。そのため多くの方で自己負担限度額が月額1万円になり患者負担が軽減されました

自己負担額の引き下げ

世帯の市町村民税(所得割)課税年額

65000円未満  1万→ 1万円

65000円以上235000円未満の場合 3万→ 1万円

235000円以上の場合  5万→2万

認定基準

インターフェロン治療について

(1)HBe抗原陽性でかつHBV-DNA陽性のB型慢性活動性肝炎でインターフェロンを行う予定、又はインターフェロン治療実施中の者のうち、肝癌合併のないもの

(2)HCV-RNA陽性のC型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変でIFN治療を行う予定、又はIFN治療実施中のうち、肝癌合併のないもの

インターフェロン治療助成に係る制度利用回数緩和

これまで、インターフェロン治療に係る助成制度の利用は、一人につき、一回のみとしていましたが、医学的にインターフェロン再治療が認められる一定条件を満たす方については、2回目の利用が可能となります。

2回目の利用が可能となる条件:以下の1-4の全てを満たすもの

  1. 現行のインターフェロン治療助成の認定基準を満たしている。
  2. 現在、HCV-RNA陽性のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変である。
  3. 前回治療において、十分のペグインターフェロン/リバビリン併用療法48週以上の投与を行い、36週までにHCV-RNAが陰性化しなかったケースに該当しない。
  4. 前回治療において、ペグインターフェロン/リバビリン併用療法による72週投与を受けたケースは該当しない。 
インターフェロン治療に係る助成期間延長の緩和

72週投与が必要な方に係る助成期間6ヶ月延長の条件が以下のとおり変わります。

C型慢性肝炎セログループⅠ型、高ウイルス症例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法に当たり、一定の基準を満たし、医師が72週投与が必要と判断する場合。

 一定の基準

H21年度 投与12週後にHCV-RNA量が前値の1/100以下に低下しているが、陽性のままであり、かつ、投与36週までにHCV-RNAが陰性化していること。

H22年度以降:①前回の治療においてペグ+リバ投与を受け、36週目までに陰性化したが、再燃したもので、今回の治療においてHCV-RNAが36週までに陰性化していること(12週の時点で既に陰性化していても可)

② ①以外のものについては、これまでと同じ

 詳細については県ホームページで確認してください。

 

B型肝炎の薬である核酸アナログ製剤治療について

B型肝炎ウイルス増殖に伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患で、核酸アナログ製剤治療を行う予定、又は核酸アナログ製剤治療実施中の者

受給所の申請方法は患者さんが、必要書類を住所地を管轄する保険所へ提出し、都道府県で審査が行われます。審査をクリアすれば受給できます。

必要書類
  • 肝炎治療(インターフェロン治療又は核酸アナログ製剤治療)受給証交付申請書
  • 医師の診断書
  • 受給者の氏名が記載された被保険者証等の写し
  • 受給者の属する世帯全員について記載がある住民票の写し
  • 市町村民税課税年額を証明する書類(お近くの市町村)

(詳しくは、各都道府県又はお近くの保険所にお問い合わせください。厚生労働省ホームページ参照)

患者さんが医療費助成制度について正確な知識を持ち、この制度を活用することで、肝炎患者さんは恩恵を受けることができます。大牟田在住の肝炎の患者で、医療費助成を受けられていない方は当院ホームページお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。
 

胆嚢ポリープ

2010-03-05

胆嚢ポリープは症状を呈することは少なく、超音波検査における発見頻度は約5-10%程度です。20mm以下のことが多く、大部分がコレステロールポリープですが、その中で10mmを超えると1-2割の確率で胆嚢癌の可能性がでてきます。21mm以上ではほとんどが癌であり、10mm以下でも癌がみられることがあるので胆嚢ポリープがある方は定期的な検査が必要です

治療

経過観察でよいのか、または、精査、外科治療が必要なのかの判断は「大きさ」、「徐々に大きくなってきているか」、「形」によって決めています。
そのなかでも隆起性病変が有茎性(茎がある)か広基性(茎がなく、台形のような形)かを区別することはきわめて重要です。

コレステロールポリープ
多発する有茎性隆起(5mm以下)ではコレステロールポリープの可能性大。エコー検査で経過観察をします。

限局性腺筋腫症(アデノミオマトーシス)
限局性腺筋腫症はゆるやかなな立ち上がりで、Rokitansky-Aschoff洞(隆起部内の無エコー部)やコメットサイン(壁内の石灰化)を認める。経過観察します。

茎が2mm未満の有茎性ポリープ
良性の可能性が高く、経過観察します。

大きさが10mm前後の有茎性ポリープ
炎症性ポリープ、腺腫内癌,過形成性ポリープ、などが含まれるが、これらの鑑別困難である。経過観察をし大きくなるする隆起性病変は悪性の可能性が高く手術が必要です。

茎が2mm以上である有茎性隆起
癌を疑い腹腔鏡下胆嚢摘出術を検討します。

浸潤癌浸潤癌では胆嚢の壁構造が壊れ、胆嚢の変形を認める。手術が必要です。
広基性隆起、表面平坦型の病変は癌や腺腫であることが多い。浸潤の可能性があるため,開腹下拡大胆嚢摘出術が必要なこともあります。

 

長岡内科医院 呼吸器内科消化器内科循環器内科内分泌代謝内科

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