話題の出来事のQ&Aをウォッチ(観察)しながら、コラム形式で皆様に紹介していくサイト「gooウォッチ」コラムで、「子どもは風の子!?冬でも半そで、短パンで強い子どもに育つ?」が1/11日付け「教えてgoo」および関連サイト(Yahoo JAPAN ネタりか, グノシー,  ライブドア ニュースexciteニュース,   zakzak by 夕刊フジ) に掲載されました。

子どもは風の子!?冬でも半そで、短パンで強い子どもに育つ? 補足

調べた限りでは、乾布摩擦の効果はまだまだエビデンスが足りない状態です。
乾布摩擦するより、適度な運動をする方が健康によいと考えます。

・本当に冬でも半そで・短パンだと、強い子に育つのか?

「強い子」がどのような子なのかにもよるが、仮に「風邪をひかない健康な子供」とした場合で考えてみました。
「健康な子供」が育ちやすい服装は個人差が大きい ため、一概に「冬でも半そで・短パンが良い」ということはないと思います。
人間は恒温動物であり、自律神経の働きで体温、脈拍、血流を微調整しながら気温の変化に順応していけるシステムが備わっています。
子供は大人より体温が高く、大人が思うほど寒さを感じません。
子供に薄着が勧められる理由は、薄着にすることにより皮膚が暑さや寒さの刺激をうけ、体が気温の変化に順応できるように自律神経を鍛えるためです。自律神経がバランス良く発達すると、内分泌が盛んになり、免疫力も強くなり「病気になりにくい健康な子供」となります。
「薄着指導」により、温熱的に快適であるための着衣量を減少することができ、「薄着指導」を受けた子供は、冬季におけるか ぜ罹患率が減少したという報告があります。また「薄着・はだし健康教育」の経験者は成人後は、自律神経失調性愁訴は少なくはならなかったが、「自分は健康だ」と考えている者が多かったという報告もあります。

・乾布摩擦の効果は本当にあるのか?

乾布摩擦は伝統的な健康法で、風邪の予防法として古くからおこなわれている日本の民間健康法の一つです。
皮膚の刺激が血管を拡張させ体が温まり、迷走神経を刺激し自律神経に働きかけます。
乾布摩擦の作用機序は鍼灸治療と似ているが、針治療のように皮膚深くのツボに刺すわけではなく、お灸ほど熱くならず、体の広範囲で皮膚表面を摩擦して刺激する点で効果に差がある可能 性がありま す。
寒さに強くなったり、風邪や喘息の予防、リラックス、安眠、冷え症、肩こりの緩和、ダイエットなどの効果が期待されています。
ただ、皮膚は摩擦しすぎると肥厚してゴワゴワとなるためやりすぎには注意が必要です。

日本で伝統的に行われていたが、鍼灸やマッサージと比較し、現在のところ自律神経に働きかけることによる風邪予防や免疫増強をサポートする医学的エビデンスレベルの高い研究は少ない。
医学的に乾布摩擦の影響を調べた論文では、乾布摩擦後交感神経優位だった人はリンパ球が増加し自律神経を介して免疫系に影響する可能性が示唆されたという報告1)や、ナチュラルキラー細胞を活性化させ、寝たきりの高齢患者で観察された免 疫力の低下による様々な合併症を軽減する可能性がある 2)などの報告があります。
1)Watanabe Mayumi., Skin rubdown with a dry towel, ‘kanpu-masatsu’ is an aerobic exercise affecting body temperature, energy production, and the immune and autonomic nervous systems. Biomedical Research 33(4)243-248, 2012
2)Iwama H1, Akama Y., Skin rubdown with a dry towel activates natural killer cells in bedridden old patients.Med Sci Monit. 2002 Sep;8(9):CR611-5.

 

 

kodomo