メンタルヘルス研修会

2012-10-23
10月1日に九州電力営業所、10月22日に九州電力電力所でメンタルヘルスに関しての職場研修会をさせていただきました。
最近のストレスフルな社会の影響でメンタルヘルス不調を来す人は増加の一途をたどっています。
身体的な病気は他人からも理解されやすいですが、心の病気は自分が自覚しない限り誰も理解してくれません。
職場におけるメンタルヘルスケアの第一段階である「セルフケア」を周知徹底させることが今回の研修の目的です。
抑うつ尺度SDS(Self-rating Depression Scale)やアルコール依存症スクリーニング試験のAUDITなど各自点数をつけていただき、研修内容に盛り込みました。
メンタルに関しての知識、理解が深まり、各自の健康管理意識向上していただければよいのですが・・・ 以下は研修内容です。
 
 
 

メンタルヘルスについて

九州電力 大牟田営業所・大牟田電力所 産業医 長岡内科医院 鈴木飛鳥
 

メンタルヘルス

精神面における健康のこと
精神的な疲労、ストレス、悩み、などの軽減・緩和とそれへのサポート。
うつ病などの心の病気(精神疾患)の予防を目的とした場面で使われる。
 
メンタルヘルスケア
「心の健康」損なわないための予防
 

心の健康づくり 健康日本21(厚生労働省)

1.自分の感情に気づいて表現できること  (情緒的健康)
2.状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること (知的健康)
3. 他人や社会と建設的でよい関係を築けること  (社会的健康)
4.人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択することと (人間的健康)
 
 

傷病別受療率

医療施設に入院あるいは通院患者数と人口10万人との比率を「受療率」という。
以前多かった結核などの感染症は減少
生活習慣病の高血圧、糖尿病は増加
 
 

精神障害増加

日本経済の停滞、社会が複雑化しストレスが増大し、欝状態や神経症、心身症状態をが増加しています。
 
 

現代社会と心の健康 ーよりストレスフルな時代へー

社会の変動
技術革新、情報化の進展、価値観の多様化や生活様式の変化など社会の変動がみられ、日常的に緊張状態におかれていると言える状況にある。
 
ライフサイクルや家庭環境の変化
平均寿命の伸長に伴い定年後の期間が延長するなど、個人のライフサイクルに変化がみられ、また、核家族化の進展により家族構成や家族の機能も変化してきている。
 
職場や仕事の変化
産業構造の変化や機械化・OA化などにより、仕事の中身や労働環境が変化し、その変化への対応が求められている。また、職場の人間関係についても変化がもたらされている。
 
 

国内における自殺者数の推移

95年阪神大震災 97年金融不況 99年派遣法改正
1998年より3万人を超えている状態
 
男性が多く、先進国で最も高いレベル!
約半分はうつ病での自殺している。
派遣と貧困の問題を解決しないと自殺者は減らないといわれています。
 
 

「メンタルヘルス不調」とは

精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の 問題を幅広く含むものをいう。 
 
 

うつ状態・うつ病について

 
人のこころはいつも元気というわけではありません。仕事でのミス、失恋、家族関係など
ほんの些細な出来事で、落ち込んだり、傷ついたりしてこころが不安定な1日を過ごすこともあります。
           しかし
たいていの場合、人は数日もすると回復して
また元気に“頑張ろう”と思える力をもっています。
         ところが時に
いつまでも気持ちが沈んだままで復活しないことがあります。
このような状態をうつ状態といい
これが2週間以上も続くような場合
うつ病を考えていく必要があるのです。
 
 

抑うつ尺度SDS(Self-rating Depression Scale)

抑うつ状態因子は「憂うつ、抑うつ、悲哀」「日内変動」「啼泣」「睡眠」「食欲」「性欲」「体重減少」「便秘」「心悸亢進」「疲労」「混乱」「精神運動性減退」「精神運動性興奮」「希望のなさ」「焦燥」「不決断」「自己過小評価」「空虚」「自殺念慮」「不満足」の20項目から構成
本邦では福田らの判定で
40点未満「抑うつ状態はほとんどなし」
40点台  「軽度の抑うつ性あり」
50点以上で「中等度の抑うつ性あり」
 一般臨床においてSDS50点以上になるとうつ傾向があると判断。
 
 

うつの治療

基本は,休養と服薬
“がんばれ”,“気のもちようだ”などの表現は避ける.
冷静な目と暖かいまなざしをもって,症状を受け止め,安心を与え,休養を促し,回復を待つようにする.
 
 

健康管理(産業医活動)

①事業所に出向き健康相談や職場を見てまわる
 
②残業の多い職員と面談をし、過労死・過労自殺を防ぐ
 
③休職者の職場復帰として、定期的に面談を行う。また、事業所には体制づくりを提言していく
 

4つのケア

(1)セルフケア…本人がストレスに気づき、対処するための知識や方法を身に付け実施することです。
(2)ラインによるケア…職場環境の把握と改善を行い、部下からの相談に対応、職場復帰の支援などをすることです。
(3)事業場内産業保険スタッフ等によるケア…産業医、衛生管理者、保健師、などが行うサポートのことです。
(4)事業場外資源によるケア…産業保険(推進)センター、医療機関、臨床心理士などによるサポートのことです。
 

ストレスとは

何らかの刺激によって生体に生じた歪みの状態を意味している。元々は材料力学上の言葉で例えばスプリングを引き伸ばしたり、ゴム球を押し縮めたりした時にその物質の内部に生じた応力
 
 

急性のストレス

ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾール(ヒドロコルチゾン)は、活動性・興奮性を高めるアドレナリン(エピネフリン)やノルアドレナリンの分泌を抑制して、過剰な緊張状態を緩和して身体の正常なホメオスタシスを回復しようとします。ストレスに対する防衛反応として自律神経系が作用する『闘争‐逃走反応』が形成されますが、危険を回避できない時や外敵による死の恐怖が間近に迫っている時には、全く身動きできずに固まってしまう『凍りつき(緊張性静止)』が起こることがあります。
 

慢性のストレス

闘争・逃走反応は、本来は緊急事態が過ぎ去った時には、ただちに消失するはずの性質のものです。しかし、慢性的なストレスのために消失しない状態が持続すると、自律神経系の働きに変調をきたしてさまざまな心身の病気にかかる可能性があります。
 
 

睡眠時間と抑うつ状態の関係(OR)

睡眠時間が6時間未満で要注意
5時間未満の場合では非常に危険!
 
 
 

ストレス対処法

ストレッサー対処(ストレスとなる刺激にどのように対処
Avoid(ストレッサ-の回避)
Alterストレスの原因を変える、変容)
Accept (受容・受け入れ)
 
ストレス対処(ストレス反応に対する対処)
Rest(休養)
Recreation (気晴らし・気分転換)
Relax (リラックス)  
 
ストレス耐性(過剰なストレスに耐えられる状態をもつこと)
Support system(援助・支援・支持) 
Style of life(生活習慣);規則正しい生活習慣を継続すること
Self-confidence(自己信頼・自己評価);自分を信じることです。
 

7つの健康習慣

べロックとブレスロー 1983年〜
1. 睡眠を十分にとる
2. 肥満にならない
3. 身体の運動をする
4. 喫煙をしない
5. 酒は適量以下にする
6. 朝食をとる
7. 間食をひかえる
これが3つ以下の人は6つ以上の人と比較し寿命が約12年短くなるという研究がある。
 

まとめ

健康を担うのは、身体面はもちろんですが精神面も重要。
 
体調不良や意欲の喪失(があるときは、
(1)家族、友人に相談
(2)同僚、上司に相談
(3)職場の衛生担当者、産業医に相談
(4)必要があれば内科医、精神科(心療内科)を受診
 
困ったとき、困っている人に気づいたときは相談したり、
声をかけ話をきいてみましょう!
職員一人一人に思いやりがある職場を目指して下さい。
 

うつ病・パニック発作:うつ病により自殺する患者が増加しています。

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