肝臓学会教育講演会2012

2012-08-12

平成24年8月12日にグランキューブ大阪(大阪国際会議場)で日本肝臓学会教育講演会が開催された。
肝臓専門医は5年ごとに更新されるのであるが、消化器病学会や肝臓学会に定期的に出席することで肝臓専門医の維持が可能であった。

しかし、近年の肝臓病治療の改変、進歩は目覚しく、日本肝臓学会では専門医制度の更新に教育講演出席が必須となった。
そのため遠方ではあるが、お盆休みも兼ねて大阪まで足を運び講演会を受講してきました。
どの講演も日常の肝臓病診療に直結するようなもので、ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)脂肪肝、NASH、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、などの多岐にわたるものであり、知識の再確認及び、最新情報の習得に役立つ一日であった。


B型肝炎

  • B型肝炎は3-4人に一人に感染の既往があり、持続感染者の管理は個々の状態により異なる。
  • B型キャリアーからの急性増悪とB型急性肝炎の鑑別は予後に大きな違いがあり重要。
  • B型慢性肝炎は線維化が軽い症例でも発癌することがある。
  • 最近ではHBV DNA量と同様にHBs抗原を定量することで、長期的にみた肝癌発生の予測に重要であることが示唆された。
  • HBs抗原、HBV DNAだけでは感染状態を判別できない場合も存在し、肝細胞内にcccDNAの状態でHBVは残存するため、HBs抗体やHBc抗体が既感染の診断に有用である。
  • 治療の基本はHBVウイルスは完全に排除できないため、現時点ではウイルスを一定量以下に抑制すること。それにより肝炎→肝硬変→肝癌への進展を防ぐ。
  • エンテカビルは、今まで問題となっていた薬剤耐性株出現頻度は5年で2-3%と低く、優れた抗ウイルス効果を示す。
  • ペグインターフェロン治療が最近承認されHBe抗原陽性例でのHBe抗原陰性化率は29-37%と従来のIFNより有効。


C型肝炎

  • インターフェロン・リバビリン併用療法で50%のSVR率が得られていたが、それにテラプレビルを加えた3剤併用療法で初回治療73%のSVRが得られるようになった。
  • 人19番染色体上に存在するインターフェロンγをコードするIL28B近傍の一遺伝子多型(SNP)が治療効果と関連している。
  • IL28TTタイプはnonTTタイプと比較しSVR率が高い。

単純性脂肪肝、NASH、NAFLD

  • 生活習慣の欧米化により肥満人口増加に伴いNAFLD患者が増加(成人の10-40%)している。
  • 体重コントロールが重要。
  • 治療薬としてインスリン抵抗性改善薬、EPA、スタチン、ウルソ、強ミノ、ビタミンEなど

原発性胆汁性肝硬変

  • ウルソが胆道系酵素、のお低下に有用でり、組織の改善、肝移植や死亡までの期間延長効果が二十盲検で確認されている。通常は600mg/dayが推奨されている。
  • ベザフィブラート400mg/dayの併用もウルソ無効例に有用。

自己免疫性肝炎

  • 診断におけるスコアリングの位置づけ
  • 簡易型スコアリングシステムでは感受性より特異性に秀でている。

肝癌

  • 肝細胞癌治療アルゴリズムに沿って治療がおこなわれている。

 

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