うつ病(メンタルヘルス)

2012-03-05

うつ病は近年急増している病期です。厚生労働省の統計によると、自殺患者は年間3万人を超え、さらに増加傾向にあるとのことです。うつ病についての理解、医療機関への受診、

正しい診断のもと治療が望まれています。
 

うつ病患者急増!

社会の構造やシステムの変化などに伴う変化によるストレス、会社の業績悪化による加重労働、人間関係の希薄化などによりうつ病患者が急増しています。
医療機関ではうつ病の診断基準が簡略化されたことで、軽度のうつ病は一般の内科でも扱われるようになりました。
うつ病は「心の風邪」ともいわれ誰でも罹患する可能性がります。以前は特殊な病期で、一般人から敬遠される傾向もありました。精神科受診は依然敷居が高く、患者の理解が得られないことも多く経験しました。
うつ病は心の病気のため、多くの症状を抱え病院を受診しても、検査正常のため「気のせい」としてかたづけられてしまうこともあります。一般的にうつ病患者はまじめで、頑張り屋のため、症状が重篤化するまで周囲がきづかない傾向があり、注意が必要です。
 

うつ病の症状

うつ病の症状は?誰でも憂うつ感は感じることがありますが、うつ病の憂うつ感は強く、長く、周囲の人にわかりにくいという特徴があります。
チェックリスト

1 最近2週間の状態

ほとんど毎日、1日中、湯良い憂うつ感、悲しさ、むなしさ、空虚感を感じる
ほとんど毎日、1日中、何をやってもつまらなく感じ、喜びを感じない

2 最近2週間の状態

食欲がないか、逆に食欲がありすぎる
ひどく眠れないか、逆にひどく、眠りすぎる
イライラしてしかたないか、動作がひどく低下している。
ひどく疲れやすい、だるさが極端
自分をどうしようもない人間だ、悪い人間だと自分を責める
考えが進まず、集中力、決断力が落ちた状態がつづく
自殺を繰り返し考える
 

3 1、2の症状のため苦しく、仕事や家事、学業に支障がでている。

 
 

うつ病 性格

うつ病になりやすい人の性格は真面目で几帳面、地道に努力をする、完璧主義、他人の気持ちを考える、頼まれると断れない(メランコリー親和性性格)特徴があります。
これらの性格であるが故に周囲の信頼も厚く、他人に相談できずにストレスを貯め、うつ病を発症することになります。
その他に活発でリーダーシップをとる(循環気質)、自信がなく、些細なことで悩む(神経質)、対人関係で不信感を持ちやすく、状況により気分が変わりやすい(情緒不安定)などの性格がうつ病の病前性格といわれています。
 

うつ病のタイプ

大うつ病

患者の数が最も多く、一般的なうつ病

双曲性障害

双曲性とうつ状態と躁状態、双曲する2つの状態をもったもの(躁うつ病)

気分変調症

うつ症状は比較的軽度なのですが、症状が2年以上持続しているタイプ

非定型うつ病

最近若い女性で増加しており、うつ症状はあるが、良いことで気分が改善するなど、一般的なうつ病ではなく、非定型なうつ病。
過食、過眠、倦怠感が特徴、気分が変わりやすくく、甘えや自己愛が強い傾向がある。
うつ病と違い休養が良いとは限らず、出来る範囲で仕事をこなし、生活リズムを整えることが大切。
 

仮面うつ病

うつ症状より身体症状がメインのため、うつ病の診断が難しく、仮面をかぶったようようなところから命名されている。
 

うつ病の経過

うつ病の発症は特定が難しく、いつのまにか以前と違う?などで気付くことが多いようです。うつ病の苦悩は強く、自然経過でも1年程で軽快することもありますが、早期発見により苦痛を除去することが自殺のリスクを低減させるといわれています。
抗うつ薬などによる薬物療法で約7割の患者に効果があり、それに睡眠薬や抗不安薬を併用すること治療効果を上げます。ちなみに抗うつ薬は効果発現まである程度時間がかかります。
症状が改善してもうつ病を繰り返すことがあり、すぐに内服を中止せず、徐々に減量することが多い
 

うつ病の原因

うつ病に関連する遺伝子は発見されてきていますが、性格や環境などの影響が深く関連していると考えられています。
ストレスや疲労状態が持続すると脳神経細胞の機能や神経伝達物質の量が変わったり、脳の血液循環が減少したりします。
うつ病の発症にはストレスが関係しており、喪失体験(死別、失恋、離婚、病気)環境の変化(異動、退職、引っ越し)によりうつ病を発症するきっかけになることがあります。
 

うつ病の人の性格

完璧主義:白か黒かをはっきりさせることが多く、中途半端ができない
何でも悪い方向に考える:悪いところばかりに焦点をあて、良い出来事に注目しない。
考え方が飛躍している:多くの可能性があるのに、最悪のケースばかり考える
自分はダメな人間だと考える:何をしてもだめだと、他の方法や可能性を考えれない
自分のせいにする:物事の結果に対し関連がなくても自分のせいだと考える。
 

職場でのうつ病

30-50歳代の世代での自殺が増加。多くの方がうつ病に罹患しており、職場でのメンタルヘルスが注目されています。
産業構造の変化や経済の減速、会社の経営状態の悪化により、業務増大、加重労働などのストレスによりうつ病を発症する人が増加しています。
仕事でのミスや、性格の変化、倦怠感などの身体症状などにより見つかることがあるが、周囲が気付きにくいことが特徴である。ギリギリまで頑張り、自殺を図るケースが見受けられるため、職場の同僚、上司などがいち早くサインを見つけることが大切です。

治療

基本は休養をとること
抗うつ薬により症状を改善させた後に、
家族、精神科医、産業医、企業のメンタルヘルス対応部署の連携により、面談、リハビリを繰り返しながら復職する。
(回復が不十分であるとうつ病が再燃することがあり、注意が必要)

認知療法

うつ病患者は考え方に偏りがあることが多く、認知慮法はその考えを気付かせ柔軟なものごとの考え方ができるようにする治療法です。
治療の第一歩は「ある出来事に対しその受け取り方は色々ある」ということを理解させることです。
日常行動表、思考記録をつけることにより、自分の物の見方をチェックし、合理的反応(別の見方ができないか)を検討します。
認知療法では自分を客観的にみつめることができるようになり、思考記録を繰り返すことにより気分が楽になることが多く、うつ病症状の改善が期待されています。
 

うつ病患者への対応ポイント

生活のリズムを整える(3度の食事、午前中の日光浴、散歩)
頑張らせすぎない。
以前と同様に接する
「なんとかなるさ」とにかく「あせらない」の考え
重要な決定は先送りにする
上司は仕事の管理を細やかにし、責任のある仕事を避け、仕事を抱え込まないようにする
 

復職支援

うつ病の症状が改善して職場復帰を果たしたとしてもすぐに症状が再発してしまう例が多く見受けられます。原因としては長期間仕事を遠ざかることによる体力、作業能力の低下です。そのため企業では復職支援プログラムにより、スムースな職場復帰を目指しています。
仕事を開始するためにはある程度の体力が必要です。生活のリズムを整え、仕事の作業効率を上司がチェックしながら徐々に仕事量を増加させます。
対人関係も、長期間の在宅生活でコミュニケーション能力が低下しているため、段階を踏んで交流していくことが望まれます。
なにより上司、同僚などのうつ病に関する理解が大切です。
 
 

自殺を防ぐために

自殺の原因としてうつ病が5-7割を占めています。大うつ病の患者の5-10%に自殺が起こっていることから考えるとうつ病は命にかかわる病気といえるでしょう。

自殺を考える患者への対応の仕方

ゆっくり話を聞くことが重要
つらい気持ちを共感する (否定は禁物)
病気のせいだときちんと説明する
自殺しないことを約束する
医師に相談する
自殺をにおわせるサインに注意する(消えてしまいたい、自殺をほのめかす発言、準備行動、強いイライラ感、身の回りのものを片づける、別れをつげるような言葉)
 

うつ病・パニック発作:うつ病により自殺する患者が増加しています。

うつ病(メンタルヘルス):うつ病の原因、経過、職場復帰、自殺予防方法、

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