C型慢性肝炎研究会

2011-02-26

肝炎は21世紀の国民病といわれており、国民全員一回はC型肝炎の検査を受けることを推奨するといる政府の方針も固まりつつある。

九州における肝炎治療にたずさわっている医師を対象、第七回九州C型肝炎研究会がH23年2月26日にホテル日航福岡で開催され多くの医師の参加がありました。

はじめに慢性C型肝炎の根治療法としてIFN治療は確立されてきているが、その投与方法は現在も検討され続けており、SVRを目指し多くの報告がされました。

SVRというのはC型肝炎の治療効果を検証するために一番重要な指標であり、IFN治療後6ヶ月後にウイルスが陰性化している率です。SVRが得られると一般的に肝炎は治癒したと考えられています。

報告内容をの一部及び私見を述べさせていただきます。

難治性C型慢性肝炎に対するPEG-IFNα/Ribavirin併用長期投与

登録608症例に対して検討されており、4週でウイルスが陰性化した人は12.9%、8週でウイルス陰性化した人31%、そして治療効果は8週でウイルス陰性化した人ののSVRは85%、 全体では53%、8週でウイルス陰性化しなかった人は延長投与(72W)した人52%のSVR率という中間報告が報告された。ということで「8週目のウイルス判定が重要である」と結論づけている。

ウイルスが1週間目で陰性化した患者は一ヶ月投与で良いのではともいわれており、ウイルスの消えるまでの期間は、医師が治療をいつまでするのかを決定する重要な要素です。やはり8週目のウイルス判定が重要であった。ウイルスの消失は早ければ早いほど良いが、8週間目でウイルスが陰性化しなかった患者は72Wの延長投与によりSVR率があがることが証明される可能性が高くなってきた。

プロテアーゼ阻害薬について

新規高ウイルス薬であるプロテアーゼ阻害薬がとうとう来年度に登場する予定です。いままでのIFN+Ribにことプロテアーゼ阻害薬を併用することにより、治療効果(SVR率)をあげることができます。このプロテアーゼ阻害薬(テラプレビル)は「前回IFN治療で一度ウイルスが消失した患者は治療効果が高いこと」しかしながら「貧血がある患者はプロテアーゼ阻害薬の使用が難しいこと」などが報告された。

IFN治療がうまくいかなかった患者は現在すぐに再治療をするよりも、今年末~来年度登場する新薬を待ったほうが良いかもしれない。

高齢C型慢性肝炎患者へのペグインターフェロン/リバビリン併用療法

  • 222例の患者(74人の65歳以上の患者が含まれている)
  • Ⅰ型高ウイルス患者に関して高齢者のSVR率(31%)は若い患者(52%)と比較し低い
  • SVRに関するもので重要なものは治療計画遵守(70%以上の薬の投与量の遵守が重要)である。

医師は診察時に副作用を観察しながら最適な量のIFN,リバビリン量の処方をしています。なるべくならば計画していた量を確実に投与することにより最高の治療効果を期待したいところだ。しかしながら実際の治療では全身倦怠感、貧血症状、検査結果などにより減量をせざるをえない状況が多くあります。以前よりわかっていたことであるが、なるべくIFNやRibを減量することなく、治療を完遂することが重要なのが再確認されている。

ということは・・・

副作用が強く出た場合通常診療では医師は「ではお薬をやめましょう」ということができるのであるが、IFNの治療は「きついとは思いますが、きつさをとる薬を続けながらIFN、Ribをいつもの量で投与しましょう」というのが治療を成功させるためには一番のポイントと思われる。

高齢女性におけるC型慢性間疾患のインターフェロン治療効果の検討

  • 高齢の女性患者はインターフェロンが効きにくいため治療効果のあった患者(SVR)と再燃患者との比較をしている。
  • 実際のSVR率は男性46%。女性26%であった 
  • 再燃例はタイプⅣコラーゲンやヒアルロン酸などの繊維化マーカーとEVRの有無と相関があった。またリバビリンの投与量も関係していた。

C型のウイルスは肝臓が硬い(線維化マーカーが高く、肝硬変に近い)場合ウイルスが肝臓に残りやすいことが報告されている。なるべく肝臓が硬くないうちに治療することが重要なようだ。高齢の女性の肝炎は肝臓が硬いためIFNが効きにくいのか??

C型肝炎治療戦略に関して  

  • Ⅰ型高ウイルスでは脂質代謝改善薬であるピタバスタチンとEPA併用両方がSVR率を増加させる報告。 

IFN+Ribの治療効果をあげるために脂質異常症の薬であるローコールなどを治療時に併用することが行われており、SVR率を約10%近く増加させることができる。コンビネーションセラピーは最適な量、最適な組み合わせが模索されている。今後も検証が続けられると思うが、テラプレビルの登場により、さらに多くの組み合わせパターンが可能となる。治療効果は良好となってきているが、その中で最適の組み合わせが確立されるのはまだ先になるであろう。

 

慢性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)詳細

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